今回は摂食障害の1つである過食症、過食嘔吐(神経性過食症)について概要を説明致します。
過食症・過食嘔吐とは
過食症とは食べる事に対して自制、コントロールができなくなり、頻繁に沢山食べてしまう=過食してしまう事を言います。
また、食べる事だけでなく、体重を増やさない為、痩せるために過食した後に嘔吐を伴う事を過食嘔吐といいます。
過食症も過食嘔吐も人前では顕著に分かる症状では無いため、周りの家族や恋人、友人は気づかない事も多いです。また病気であるという自覚症状も薄く、誰かに助けを求めたり、治療を行うように自発的に動く人が少ない病気でもあります。
しかし過食や過食嘔吐を続けると身体への悪影響が蓄積され、身体に不具合が出たり、うつや不安が強まる恐れもあります。
過食症・過食嘔吐は普通の人の「ヤケ食い」等と区別する事が難しく、病気か否かを判断するのが難しい物でもあります。病気としての過食症の症状を理解して、当てはまる部分が多い人は病院に相談する事をおすすめします。
過食症・過食嘔吐の症状や特徴
では具体的な過食症・過食嘔吐の症状や特徴はどのような物なのでしょうか。
大量に食べる
まず1つ目に挙げられるのが「大量に食べる」です。この大量とは、ちょっと食べ過ぎちゃった・・・という量を遥かに超えた「尋常じゃない量」の事を言います。
身長や体重による適切な食事の通常量に加え、プラス1~3人前を食べてしまう人も居ます。
食べる事へのコントロールが出来ない
本当は沢山食べたくないのに、自制が利かない、コントロールが出来なくて大量の物を食べてしまう場合も過食症や過食嘔吐に当てはまります。中には泣きながら食べるという人もいらっしゃいます。
食べた後に吐く、下剤を飲む
大量に食べた後に、体重増加の心配や、罪悪感から嘔吐をしてしまう場合は「過食嘔吐」に当てはまります。食べてた物を故意的に吐く時点で病気の可能性が高いです。
気分の浮き沈みが激しい
気分の浮き沈みの激しさも過食症や過食嘔吐の人の特徴の一つで、特に体重の上下により気分が振り回される事が多いです。
週1回以上、上記のような事がある
頻度については上記のような事が週1回以上の頻度あるというのが1つの目安になります。
過食症・過食嘔吐の原因
原因は様々ですが、過食症や過食嘔吐の場合
- ダイエットの延長線上で過食嘔吐になってしまった
- ダイエットの反動で過食症になってしまった
- 痩せたい一心で
- 幼少期の愛情不足
というケースが多いです。摂食障害の多くは母親からの愛情不足が多く原因に挙げられますが、過食症や過食嘔吐に関しては「痩せたい」という気持ちや「ダイエットの延長線で」というケースが多いです。
過食症・過食嘔吐の治療法
過食症や過食嘔吐は治療はなかなか難しいとされています。
治療法としては、
- 過食や過食嘔吐の回数を減らす
- 不安な気持ちや気分を浮き沈みを無くす
- 自信の無さを改善する
- 周囲にサポートしてもらう
等が挙げられますが、正直どれも曖昧で難しい物ばかりです。
「過食を止めたい」と思っても、強迫観念から過食以外がほとんど絶食になってしまい、拒食症へ症状が変わってしまう等のケースも存在します。
医療機関で医師が治療を行う場合、初めは「過食ゼロ」よりも、食事の規則性や自制心、コントロールする感覚を取り戻す事を目指し、日々の生活パターンを把握し、当人の生活リズムを決め、薬物療法、心理療法等を行う事が多いです。
薬物としては、抗うつ剤が過食の傾向や、過食嘔吐を減らす効果があると言われています。しかし、長期使用での効果については分かっておらず、更に薬物だけでの完治は困難だと言われています。
また、「認知行動療法」も効果があると言われています。これは、症状やその背景にある「気持ち」を本人が記録していき、それを参考にしながら、症状のコントロールについて検討して行く物です。
過食症や過食嘔吐の場合外来での治療が基本ですが、自分でどうしても難しい場合や、身体症状が強い時、うつ症状があり困難な場合は、薬物の調整をしたり時には閉鎖病棟で治療をする方が良い場合は入院しての治療を行う事もあります。
摂食障害の1つ過食嘔吐(神経性過食症)とは?沢山食べて吐く病気まとめ
過食嘔吐は簡単な気持ちでスタートしてしまう人が多いです。(私もその一人です。)そして辞めるのが難しく、続ける以上は身体に負担が掛かり続けます。
しかし、治療は困難とされている部分が多く、一度はじめてしますと脱却するのが難しい病気です。今すぐ辞めるのは難しくても、いつまでも続けられる事は難しいという事を理解する必要があります。